12. アポトーシス制御に働くp53とMcl-1の両者をユビキチン化する新規ユビキチンリガーゼ
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同時に2つのグループが、同じ分子を全く違う方法で発見し報告する例を時々見かけるが、Mule/ARF-BP1も全く異なる目的で実験をしていた2つのグループが、この同一の分子を新奇のユビキチンリガーゼとして同定した Chenらは、ARFのp53非依存的な機能を解析することを目的として、ARF結合タンパク質を検索し、新規タンパク質ARF-BP1を同定した https://gyazo.com/068e2864006c223ce5b88a71cc7ce762
p53欠損細胞においてARFを過剰発現すると、細胞増殖の抑制がみられるが、ARF-BP1をRNAi法を用いてノックダウンすることでも同じ効果を得ることができた 一方、p53が存在する細胞においてARF-BP1の機能を調べてみると、ARF-BP1の発現抑制により、p53の安定化と活性化が引き起こされることが示された
そして、ARF-BP1は直接にp53と結合し、これをユビキチン化することを明らかにした
一方、Zhongらは、アポトーシス抑制に働くBcl-2ファミリー分子であるMcl-1が非常に安定なタンパク質であること、そして、ユビキチン/プロテアーゼ経路により、タンパク質量の調節を受けていることに注目していた そこで、生化学的方法を用いて、Mcl-1のE3リガーゼを同定したところ、Muleを発見した MuleはBH3ドメインをもっており、このドメインを介して、Mcl-1のBH3ドメインと相互作用することを示した